ヘルタースケルターのすごいスタッフ・キャスト

主演の彼女のイメージが、まず主人公りりこのイメージに重なりますよね。本人も「この役は私のためにある役。この役をやりたい」と熱望し、企画から参加したというほど入れ込んでいるキャラクターだそうです。これまでの作品でも常にきらめく個性としっかりした演技力が評価されてきた彼女の事。今回のヘルタースケルターでは「水を得た魚」のように奔放な「りりこ」を見せてくれるはずです。

ヘルタースケルターの演技陣は主演女優だけでなく、脇役も豪華実力派がずらりと並びます。国内の主な映画賞や演劇賞における最優秀主演賞・助演賞の常連ばかり。海外でも活躍している役者さんも多く、まさに日本を代表する演技陣が集結したと言えるでしょう。特に女優陣に関しては「充実」の一言。それぞれが主演クラスの人たちが一堂に会した様は圧巻です。これだけでも観る価値あり、ですね。

スタッフも豪華なのがこのヘルタースケルターです。監督は、先にも触れましたが、すでに女流フォトグラファーとして世界的な名声と人気を博している「映像のプロ」です。劇場映画作品は「さくらん」に続いてこれが2本目。ヘルタースケルターの原作には7、8年前から(つまり単行本化の直後から)映像化への意欲を持っていたと語っておられますから、本来はこちらが監督デビュー作になるはずだった(?)かもしれませんね。他にも優秀なスタッフがずらりと参加しています。

ヘルタースケルターの脚本は、数多くのトレンディドラマやラブコメディで一時代を築き、がんばる主人公を描き続けてきた人気女性ライターさんです。彼女が今回の「ダークヒロイン」をどうパワフルに料理してくれるのか、大いに注目したいところ。キャメラはステディカムオペレーターとして映画界にその名を馳せ、メインキャメラに昇格してからは次々にスタイリッシュな絵づくりで多くのヒット作に関わり「2010年代を代表する撮影監督」として映画通の支持を集める名手です。きらびやかな監督の映像イメージをどう定着させてくれるのか注目です。

音楽は伝説のテクノポップバンド出身で、ニューウェイブから現代音楽まで幅広い分野で活躍する巨匠がスコアを担当。圧倒的なリズムと広がりのあるサウンドで、ヘルタースケルターの世界観を見事に紡ぎ出してくれています。つまりこの、ヘルタースケルターという映画は、最高の素材を最高のシェフたちが手掛けた、究極のごちそう、ということになるわけです。ああ、早く観たい!